CopilotやChatGPTなどの生成AIに、物語を書かせてみよう
生成AIが世界に衝撃を与えてから早2年が経ちますが、使いこなしている人は少ないのではないでしょうか。生成AIが文章はもちろん、イラストも作成してくれますし、今では、動画も作成してくれます。さすがに動画の作成は無償ではできませんが、文章の作成は、MicrosoftのWebブラウザ、右上のアイコンをクリックすると使えるCpilotで、無料で使うことができてしまいます。
文章の作成と言いましたが、指示の仕方によっては物語も書けてしまう優れものです。日経新聞主催の星新一賞が毎年開催されていますが、文字数制限は10000字ですので、多くの人が気軽に挑戦できる内容で、応募ページに投稿の際には、AIで作成したかどうか入力しなければなりません。逆に言えば、AIで作成した作品を受け付けてれます。私は、この賞に何度か応募したことがありますが、まだAIで書かせたものを提出したことはありません。
今年度は、作品を提出できませんでしたが、さきほど思い立ち、Copilotに書かせたらどれぐらいのものができるのかやってみました。重要なのは、生成AIに与えるプロンプトと呼ばれる指示文で、これが正確でなければ生成AIが思うように動いてくれません。恐らく、多くの方が、どうやって指示すれば良いのか理解していないと思われますので、こんな風にすれば物語を書かせられるよという例として受け止めてもらえると嬉しいです。
生成AIに、指示を出すとき、一気に一回で指示を出す必要はありません。生成AIが対話の文脈を理解してくれるので、順番に、段階的に指示を出せばよいのです。では、やってみましょう。私は最初に、次のように指示を与えました。
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「アリとキリギリス」「ウサギとカメ」の2つの物語をモチーフにして新しい物語を書いてください。その際、キリギリスとウサギに該当する登場人物の名前を「ラビット・ホッパー」とし、アリとカメに該当する登場人物の名前を「アリアント・トータス」としてください。4章構成で、各章2000文字程度で書いてください。まずは、章立ての作成をお願いします。
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すると、以下のようにCopilotが返答してくれました。驚くことに、返答に時間を待たされる感覚はありません。
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もちろんです!以下が新しい物語の章立てです:
第1章: 出会いと競争の始まり
ラビット・ホッパーとアリアント・トータスが初めて出会う場面。ラビット・ホッパーは速さに自信があり、アリアント・トータスを見下している。一方、アリアント・トータスは地道な努力を重んじる性格。二人の間で競争が始まる。
第2章: 夏の準備と怠け者
夏が訪れ、アリアント・トータスは冬に備えて一生懸命に働く。一方、ラビット・ホッパーは遊びに夢中で、準備を怠る。アリアント・トータスの努力とラビット・ホッパーの怠けぶりが対照的に描かれる。
第3章: 冬の到来と試練
冬が訪れ、アリアント・トータスは準備のおかげで快適に過ごすが、ラビット・ホッパーは食べ物も住処もなく困り果てる。ラビット・ホッパーはアリアント・トータスに助けを求めるが、アリアント・トータスはどう対応するか悩む。
第4章: 教訓と友情
アリアント・トータスはラビット・ホッパーを助けることを決意し、二人は協力して冬を乗り越える。ラビット・ホッパーは努力の大切さを学び、アリアント・トータスとの友情が深まる。最後に、二人は互いに尊重し合いながら新しい春を迎える。
この章立てで物語を進めていきます。次に、各章の詳細な内容を書いていきますね。何か追加や変更のご希望があれば教えてください。
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実際に物語の文章を書かせるためには以下のようにプロンプトを入力しました。
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章立てはこれで結構です。順次、物語を進めてください。各章2000字程度でお願いします。まずは第1章をお願いします。
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了解しました。それでは、第1章を始めます。
第1章: 出会いと競争の始まり
ある晴れた日のこと、森の中でラビット・ホッパーとアリアント・トータスが初めて出会いました。ラビット・ホッパーはその名の通り、素早く跳ねることが得意なウサギで、いつも自分の速さに自信を持っていました。一方、アリアント・トータスは地道に努力を重んじるカメで、ゆっくりとした歩みながらも確実に前進することを信条としていました。
ラビット・ホッパーはアリアント・トータスを見下し、彼の遅さをからかうことがしばしばありました。「おい、アリアント!そんなに遅くては、いつまでたっても目的地にたどり着けないぞ!」と、ラビット・ホッパーは笑いながら言いました。しかし、アリアント・トータスはその言葉に動じることなく、静かに答えました。「速さだけが全てではない。地道な努力が大切なんだ。」
ある日、ラビット・ホッパーはアリアント・トータスに競争を持ちかけました。「どうだ、アリアント。俺と競争してみないか?俺が勝つのは明らかだが、お前の努力がどれほどのものか見せてもらおうじゃないか。」アリアント・トータスは一瞬考えましたが、やがて静かに頷きました。「いいだろう、ラビット。競争しよう。」
競争の日がやってきました。森の動物たちが集まり、二人の競争を見守ります。スタートの合図が鳴り響くと、ラビット・ホッパーは一気に飛び出し、アリアント・トータスを大きく引き離しました。ラビット・ホッパーは自分の速さに自信を持ち、途中で何度も休憩を取りました。「どうせアリアントは遅いから、少し休んでも問題ないだろう」と、ラビット・ホッパーは思いました。
一方、アリアント・トータスはゆっくりとした歩みながらも、一歩一歩確実に前進していました。彼はラビット・ホッパーの速さに焦ることなく、自分のペースを守り続けました。森の動物たちは、アリアント・トータスの地道な努力に感心し、彼を応援しました。
ラビット・ホッパーが再び休憩を取っている間に、アリアント・トータスは彼に追いつき、そして追い越しました。ラビット・ホッパーは驚きましたが、「どうせすぐに追いつける」と思い、再び休憩を続けました。しかし、アリアント・トータスはそのままゴールに向かって進み続けました。
ついに、アリアント・トータスはゴールにたどり着きました。森の動物たちは歓声を上げ、彼の勝利を祝いました。ラビット・ホッパーがゴールに到着したとき、彼は自分の過信と怠けが敗因であることを痛感しました。「速さだけが全てではない」と、アリアント・トータスの言葉が胸に響きました。
この競争を通じて、ラビット・ホッパーは地道な努力の大切さを学びました。しかし、彼の性格は変わらず、再び怠けることが多くなりました。アリアント・トータスはそんなラビット・ホッパーを見守りながら、自分の信念を貫き続けました。
これが第1章の内容です。次に第2章を進めていきます。何か追加や変更のご希望があれば教えてください。
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次に「ありがとうございます。次に第2章をお願いします。」とプロンプトを入力し、3章、4章と書いてもらいました。当初想定していた1章につき2000字は満たされませんでしたが、全部で5000字程度の作品には仕上がりました。生成AIとの対話で、5分か10分ほどで書けてしまうのですから、驚きです。さすがに、小説としての質は、私にはわかりかねますが、読んでいてわかりやすいです。ぜひ、生成AIを使った物語作りに挑戦してみてください。
追記:このブログをアップするにあたって、Copilotに「この物語に適したイラストを1枚生成してください」と指示したところ、このブログの最初に掲載されている画像を生成してくれました。改めて驚きの連続でした。